電池バランス
リチウムイオン電池に限らず、一般的に電池には内部放電(自己放電)があり、これをゼロにすることはできません。 二次電池の中では リチウムイオン電池 はニッカド電池やニッケル水素電池に比較して、内部放電の非常に小さな電池ですが、 それでもゼロにすることはできません。自己放電電流が大きいと、充電電池を放置したときに、電圧の低下(充電量の低下)が大きくなります。(自己放電の小さな電池には酸化銀電池やリチウム一次電池などがあり、時計、カメラなどの用途に使われています。) 18650サイズの円筒型リチウムイオン電池で自己放電電流は、典型的には図1の程度となります。これは室温の場合で、アウレニウスの法則により、温度が10℃上昇すると、値が2倍になるといわれています。筆者は実測したことはありませんが、温度が高いほど自己放電が大きいということは経験しています。さて、この自己放電量は典型的な場合であって、個々の電池セルにより自己放電量が異なります。特に放電量の大きなものはセルの電極内に微小な金属屑が混入し、その金属くずがセパレータを貫通して、微小なショート状態が作られていることがあるようです。このようなショート状態はマイクロショートと呼ばれています。この状態は大きな電流が流れるとその発生熱によって金属屑が無くなってしまうため、電極間の完全なショート状態に至ることは無いといわれています。 さて自己放電が大きなセルであっても、 携帯電話 など、単セルで使われる場合はユーザに認識されることはほとんどありません。もちろん、充電した後、使用せずに長時間放置されれば、電圧が低下するため、自己放電が大きいことがわかりますが、充電、放電を繰り返している場合は自己放電による容量の減少は機器の使用による容量減少に比較して非常に小さいものであり、ユーザには意識されません。 自己放電の大きさが問題となるのは、セルを直列に接続し、電圧を上げたパック(多直パック)にした場合です。容量1000mAhのセルAとBを2直列にしたパックを例に説明しましょう。自己放電電流Aは50μA、Bは250μAであるとします。さて、AとBのセルは、製造時点では同一の充電量であるとすると、電池パックの製造時は電池パックとして1000mAhの容量を持っています。これが3ヶ月経過すると、A とBでは自己放電量が200μAの差があ...