スマートフォン躍進の立役者、AndroidとiPhone

010年の「注目商品」の第一位に選ばれたスマートフォン。ニュースやテレビの情報番組でも、「スマートフォン」を見ない日はないほど、話題になっています。


 では、「代表的なスマートフォンは?」といえば、「iPhone」「Android」と答える人が多いのではないでしょうか。今のスマートフォン人気を支える2つのキーワードの意味と、現在のスマートフォン市場の激しい競争状況について見てみましょう。

本題に入る前に、スマートフォンってなあに?
昨年大きくクローズアップされた「スマートフォン」という言葉ですが、使われ始めたのは2000年のはじめ頃にまでさかのぼります。その当時のスマートフォンは、「電話だけでなく、メールやウェブサイト閲覧などの機能がある携帯電話」と定義されていました。日本では、1999年にサービスを開始したNTTドコモのiモード対応携帯電話も、当時はスマートフォンの一種に分類する人もいたのです。

 その後、ドコモ以外の携帯電話各社も同様のサービスを開始し、多くの携帯電話にメール・ウェブ閲覧機能がつき、さらにはiアプリなどのアプリケーションも利用できるようになったことで、ことさらこうした機能を持つ携帯電話が「スマートフォン」として区別して呼ばれることはなくなっていきました。

一方世界ではどうだったかというと、2000年前後から、PDA(Personal Digital Assistance)に通信機能を付けたり、ページャー(ポケットベルのようなもの)に通話機能とキーボードを付けたりという形で、スマートフォン的な製品が発売されはじめていました。中でも、ビジネスユーザーをターゲットに発売された、カナダのリサーチ・イン・モーション(RIM)社のBlackBerryは、ビジネスユーザーを中心に利用者を増やしていました。こうした動きの中、世界最大の携帯端末メーカーであるフィンランドのノキア(Nokia)社などが、スマートフォンの開発を手がけたり、マイクロソフトがモバイル端末向けのOSとしてWindows Mobileを発表し、パソコンとの親和性の高さを訴求するなど、少しずつスマートフォンの市場が立ち上がりはじめていました。

スマートフォンという言葉が日本で復活したのは2004年でした。ボーダフォン(現・ソフトバンクモバイル)から、ノキア製のスマートフォン「Vodafone 702NK」が発売され、翌年にウィルコムがWindows Mobileを搭載したシャープ製の「W-ZERO3」を発売して大きな話題となりました。また、2006年には、BlackBerryがドコモから発売されました。この時期に復活したスマートフォンという言葉は、「パソコンに近く、汎用のOSを搭載しており、アプリケーションをインストールして、自分に使いやすいようにカスタマイズできる」という、現在の「スマートフォン」の概念に近いものとなっていました。

しかし、当時のスマートフォンは、情報があまりなかったこともあり、なかなか一般の携帯ユーザーが使いこなすには敷居が高いものでした。特に日本では、高機能な携帯電話が既にユーザーに受け入れられていたこともあり、携帯電話会社は、あえて「スマートフォン」を売る必要がなかったのです。

iPhoneの登場で方向性が変わったスマートフォン

 スマートフォンの方向性が大きく変わったのは、2008年6月に米・アップル社が発売した「iPhone 3G」以降のことです(日本での発売は2008年7月)。

 iPhoneは、そもそもの誕生の経緯が、他のスマートフォンとは大きく異なっていました。それまでのスマートフォンが、「メールやスケジューラーなどのパソコンで使うような機能を携帯電話でも使えるようにしたもの」だったのに対し、2007年に登場した初代iPhoneは、「音楽プレーヤー(iPod)に携帯電話機能をつけた」ものでした。iPhoneの通話・通信機能を第三世代携帯電話(3G)に対応させたのが、iPhone 3Gです。

iPhone 3Gの大きな特徴は、通信が高速になっただけでなく、発売と同時に公開された「App Store」で好きなアプリケーションを入手できることでした。App Storeは、iPodに入れる音楽ファイルを購入するために提供されていた「iTunes Store」の中に、iPhoneとiPod touch向けアプリケーションを提供するコーナーとして開設されました。アップル社による審査を通過したアプリケーションが、カテゴリー別に整理されており、人気アプリケーションのランキングや、ユーザーの評価も見られるようになっていました。

 ユーザーは、iPodに入れたい音楽を買うように、App Storeでアプリケーションを選んで買うことができたのです(もちろん、無料で提供されているアプリケーションもたくさんあります)。今までのスマートフォンとは比べものにならないほど、手間をかけずに、好きなアプリケーションをインストールしてカスタマイズできるiPhoneは、デジタルガジェット好きな人たちを中心に急速に広まりました。

 iPhoneが広まったことで、逆に、スマートフォンの一般的なイメージの一つとして、「iPhoneのようなもの」すなわちフルタッチスクリーンで操作し、アプリケーションを選んで使う、というスタイルが新たに確立されたともいえます。

その後、アップル社は、毎年iPhoneの新モデルを発表すると共に、2010年4月には10.1インチサイズのタブレット型端末「iPad」を発売しました。これもまた、その後のタブレット型端末市場を牽引する製品でした。2010年6月には、iPhoneとiPadに搭載されたOSの名前を「iOS」に変更し、携帯電話だけにとどまらないプラットフォームとして位置づけています。

Androidの登場

 一方、もう一つのキーワードである「Android」が誕生したのは、2003年にさかのぼります。元々は、米国の技術者アンディ・ルービン氏が創業した、モバイル端末向けOSの開発を行う会社の名前でした。Android社は2005年にグーグル(Google)社に買収され、ルービン氏は同社でAndroid プラットフォームの責任者として、製品戦略及び開発全般を担当することになります。

 現在、スマートフォンのOSとして広く使われるようになったAndroidが表舞台に登場したのは、初代iPhoneが登場した2007年のことでした。iPhoneは、アップルというハードウェアメーカーが、端末もその上で動作するOSも丸抱えで開発しており、iPhone OSで動作する端末をアップル社以外のメーカーが開発することはできません。これに対抗して、「オープンで誰でも使えるモバイル用のプラットフォーム」として、グーグルを中心とした規格団体であるOHA(Open Handset Alliance)が発表したのが、Androidだったのです。

 つまり、「Android」は、特定のハードウェアの名前でなく、OSの名前なのです。携帯電話に限らず、家電製品や、ロボットなどにも組み込むことができます。ですが、ここでは、AndroidをOSとして搭載したスマートフォンのことを「Android端末」と呼ぶことにします。

 Android端末の特徴は、メール、カレンダー、連絡先などの機能が、グーグルの提供しているサービスと密接に連携していることです。つまり、パソコンで使用しているグーグルのサービスと同じデータが、そのまま利用できます。

 また、Androidに機能を付加して、端末メーカーや携帯電話会社が独自の機能を持たせた端末を作ることもできます。こうした点から、アップル以外の多数のハードウェアメーカーがAndroid搭載のスマートフォンを開発・販売しました。

 アプリケーションの提供についても、iPhoneとAndroid端末では方針が異なっています。Android端末用のアプリケーションが集められたショップとして、グーグルはAndroid Marketを運営していますが、アップルがApp Storeで提供するアプリケーションに対して厳しい審査を行っているのと異なり、Android Marketでは開発者が自由に自分の開発したアプリケーションを公開し、販売できます。また、iPhoneでは、App Store以外で正規の方法でアプリケーションを入手することはできませんが、Android端末は、Android Market以外のサイトからでも自由にアプリケーションを入手できます。

iPhoneを激しく追撃するAndroid端末

 さて、iOSとAndroidですが、ここまでの経緯を見ると分かるように、両方ともスマートフォンのOSとしてはどちらかといえば新興勢力です。とはいえ成長の勢いはすさまじく、特に2010年になってAndroidのシェアが急成長しています。

 2010年9月に調査会社IDCが発表した予測によれば、2010年にはほぼ拮抗していたiOSとAndroidの世界シェアは、2014年には完全に逆転するという予想です(図の中の「Symbian」は、主にノキアの端末が採用しているスマートフォンのOS)。

それでも、Androidが、世界中の多くのメーカーが販売している端末の合計であるのに対し、iOSはiPhoneという単独の端末であり、これだけでシェアが1割というのは、相当強力な商品だと言えるでしょう。

 また、別の調査によれば、アメリカでは昨年11月にスマートフォンを購入した人の4割が、Android端末を購入しているという調査結果もあります。

さて、日本の状況はといえば、2008年にiPhone 3Gがソフトバンクモバイルから発売され、2009年には日本初のAndroid端末として、台湾・HTC社製の「HT-03A」がNTTドコモから発売されました。その翌年、2010年4月に発売された「Xperia(SO-01B)」では、2年ぶりにドコモからソニー・エリクソンの端末が発売されることや、テレビや雑誌で展開される大がかりなプロモーションで一気に注目を集めました。

 しかし、Xperiaでは、従来使っていたiモードの「docomo.ne.jp」のメールアドレスが使えなくなることや、ケータイ用サイトが見られない、ワンセグやおサイフケータイなどの機能がないといった理由で、「興味はあるけれど購入には踏み切れない」というユーザーも少なくありませんでした。

 こうした状況をふまえて、大手3社の中ではスマートフォン最後発のKDDIは、「ケータイとスマートフォンのいいところを一つに」をコンセプトにしたスマートフォン発売を宣言し、おサイフケータイ機能やワンセグ機能に対応した国産Android端末を発表しました。また、NTTドコモ、ソフトバンクも、昨年秋以降に発売された端末は、おサイフケータイ、ワンセグ対応、赤外線通信など、日本の携帯電話で標準的な機能を搭載した機種が増えています。また、既存のケータイメールアドレスが使えない点については、各社とも、スマートフォン用のアプリを提供することで対応しています。

 その他のアプリケーションについても、携帯電話会社各社が自社ユーザー向けにマーケットを用意して、課金は通話料と一緒に精算するなど、使いやすいサービスを用意しています。その結果、従来であればスマートフォンはまだ敷居が高いと思っていた層にもユーザーが広がり、昨年秋以降のAndroid端末の新製品の売れ行きは加速しています。

今後のAndroid端末は、海外のAndroid端末とほぼ同じ仕様で、いち早く最新のAndroidを搭載した端末と、日本独自の機能に対応した(最近は「ガラロイド」と呼ばれることもあります)端末という、大きく分けて2つの流れになると思われます。一方で、対抗するiPhoneは、その使いやすさや端末のデザインの良さで、根強いファンがついており、今後も激しい競争が繰り広げられると予想します。

 また、アップルのiPadに対抗する、少し大型の「タブレット端末」も、Androidを搭載したものが多くのメーカーから発表されはじめています。この1月にラスベガスで開催されたCES(Consumer Electronics Show)という展示会では、「タクシーよりもタブレット端末の方が多かった」と冗談で言われるほど、多数の新機種が展示されました。タブレット端末は、商品そのものが新しいカテゴリーであり、今後だれが主導権をとるかはまだ分からない市場です。Android、iOS以外の独自OSで参入しようとする企業もあり、これからも目が離せません。

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